ロンドン編その3 チャーチル・ウォールーム
ベイカーストリートから地下鉄でウェストミンスターへ
ウェストミンスター駅は打ちっぱなしコンクリートに巨大な配管、薄暗い照明で巨大な地下施設のような雰囲気。
(官庁や宮殿が近いから、実は防空シェルターの役目が期待されてたりして・・・w)
駅にはこのようなポスターも。
HMSウェストミンスターは英海軍の23型フリゲートの1隻で、艦名の由来地として応援しようということでしょうか。
こういうところでも海軍国としての伝統のようなものを感じさせます。
ビッグベン方面の出口から駅を出ると、ちょうど真下に出ます。
やはりロンドン、英国のシンボルは抑えておきたいですね。
時計塔内部は見学できるそうですが、外国人は見学できないとのこと。
時計塔に隣接して「ウェストミンスター宮殿」へ。
ウェストミンスター寺院と間違えやすいですが、こちらは国会議事堂。
警備に就いている警官も、国会という場所だけあってMP5など銃を携行しています。
ロンドンの警官と言えば普段は銃を携行していないという話で有名ですが、テロ対策や凶悪犯への対応となると例外になります。
ロンドンパスで入場できるので、隣のウェストミンスター宮殿へ。
内部は撮影できないけど、巨大な教会と内部の装飾には圧倒された。
日本語対応のオーディオ解説機がレンタルできるけど、時間もなかったので気になったところだけで使ってました。
ニュートン、大・小ピット、ダーウィン、スチーンブンソン(蒸気機関車を実用化)、リヴィングストン(探検家)など有名人が葬られています。
そういえば、教会は脱帽する場所だと思うのだけど、ヨーロッパ系含めて帽子とらない観光客が多くて意外だった。観光スポットのイメージが強くて宗教施設の印象が薄れてるのかも
寺院外の回廊には第二次世界大戦におけるイギリス軍人を称えるモニュメントがひっそりと据えられていました。
寺院を出てビッグベンの見える広場に向かうと、銅像が立ち並ぶエリアへ。
さまざまな著名人の銅像がありますが
おや、この後姿は・・・?
チャーチル像でした!
ということで首相と一緒にヴィクトリーのVサイン
そういえば外国人からすると、「日本人は写真を撮るときになぜかみんな∨サインをする」と不思議がるのだそう。
「ピースサイン」は英語圏では「∨サイン」と呼ばれることが多いですが、もともとは百年戦争におけるイングランド弓兵の挑発ポーズだったことを考えるといろいろ考えさせられます。
さて、そのままホワイトホール官庁街へ。さすがにダウニング街10番地、つまり首相官邸などには近づくことはできませんが官庁街の雰囲気を味わいに行きます。
(近くに国防省とか海軍本部の建物があったけど見に行くの忘れてしまったw)
市内を走る観光バス
この車輌はもともと米軍で第二次大戦中に使用されていたゼネラル・モーターズ製のDUKW水陸両用車で、戦後民間に払い下げられたあとバスに改造され、今でも水陸両用バスとして使用されています。 (たしか日本にもあったはず)
さて、その大蔵省の近くに"Churchill Museum and Cabinet War Rooms"(チャーチル博物館・内閣戦時執務室)という施設があります。
「チャーチル博物館」「チャーチル・ウォー・ルーム」と呼ばれたりもしますが、第二次世界大戦中にチャーチルが執務室にしていた地下室がそのまま博物館になったものです。(大蔵省の地下にありますが、地上の大蔵省の建物は現役です。)
ここは"Imperial War Museum"(帝国戦争博物館)の分館という扱いで、スタッフも「IWM」のロゴが入ったシャツを着ていました。
ちなみに帝国戦争博物館ロンドン館は改装工事中らしく2013年7月まで休館中なのだそう。 V2ロケットやヤークトパンターが展示されている有名な博物館ですが、残念です。
音声ガイドの機械をレンタルできますが、さすがにこの手の博物館となると日本語はありません。 入館時にスタッフに言語を聴かれたのですが、(日本語がないだろうことを予測しつつ)「Japanese!(確信犯)」と答えたところ、スタッフのおじさんがかなりオーバーに「オーマイガッ」とリアクション笑
ここでも蝋人形が並んでいます。この地下施設の警備にはMPがあたっていたんですね。(白染めされたP37装備を眺めつつ)
地下室の廊下には空襲時の火災を想定した消火栓ホースと消火砂がところどころに設置されています
展示内容は戦時中の地下執務室の他に、チャーチルの生涯、政治家としてのチャーチルのパネル展示があり、戦時中のイギリスや欧州情勢に関する展示もあります。
英軍の制帽を被ることができるエリアも
ドイツ軍の本土侵攻が危ぶまれていた時期を象徴するものの一つとして、ステンガンなども。
「チャーチルは英国の抗戦のシンボルであると同時に、枢軸国にとっても格好の攻撃目標になった」というニュアンスで、ドイツや日本が作成したプロパガンダポスターも展示されていたのが興味深かったです。
そして多数展示されている多数のチャーチルグッズ(これらは非売品)
こちらはチャーチル夫人の部屋
戦時中はここで閣僚と政策会議を開いていたのでしょうか
地下室で当時食堂だった場所が、今ではミュージアム・カフェとして運営されていました
蝋人形を用いて、当時の地下室での風景も再現されています。
まるで本物の人間のような精巧さ
海軍さんも
たまたま博物館の学芸員らしき人が展示の手直しをしていた光景に出くわしたりも笑
壁にはエンフィールド小銃がさりげなく立てかけてあったり
ミュージアムショップには戦時ポスターのレプリカや、ポストカード、書籍、グッズなどが。
おもしろかったのは、米軍兵士向けに配布された「イギリス駐留時の注意事項」や、米英軍向けの「フランス駐留時の注意事項」のようなマニュアルのレプリカが販売されていたこと。ドイツ軍のものの英訳版などもあったり
ここでポストカードや、戦時中に発行された実物のポンド硬貨、ペニー硬貨などを購入。
後でイギリス空軍博物館やサウサンプトン・シーシティ・ミュージアムに行った時に同じような商品を見つけ、ここの商品が1.5倍くらい割高だったのに気づいてしまい、貧乏旅行的にはややショックw
伝記や政治学の本の受け売りではありますが、チャーチルという政治家は、その政治生命全体を通して見ると、素晴らしい手腕を発揮したこともあれば、最善とはいえない行動に出たこともあるように思います。
それでも第二次世界大戦時に関して言えば、ヨーロッパで最後に孤立したイギリスを勝利に導く狡猾さと、国難の時代に国民から絶大な信頼を寄せられるだけの指揮能力を発揮できた人物だと思います。
ただ、終戦間際にアトリー政権を選んでしまうイギリス国民の戦勝気分もなかなか正直ですね。
博物館の手前は王立公園のセント・ジェームズ・パークになっており、次はここを散策していきます
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